3月7日、日本全国が高気圧に覆われ、快晴の日。
天候が安定しているので、月山第一トンネルから入山し、南西尾根から湯殿山を目指すこととする。
赤いトラックが今回の軌跡(GPS、操作ミスのため一時停止あり) |
既に10台近く駐車してあり、ベテランさんと女性の2パーティーが準備中。ベテランさんに、初めてなので後ろ追わせていただきますと挨拶。女性パーティーとも、一言二言あいさつを交わしたが、先ほどのベテランさんは蒲生さんと言い、「飯豊朝日連峰の麓から」というタイトルで多数のスキーツアー記録をネットで発信していると教えられた。
女性パーティーは鍋森に向かう。トンネル入り口の真上で、左と右に分かれた。既に多数の登山者が入っており、ベテランさんを追うまでもなく、トレースを使わせてもらう。
電力の鉄柱を超え、しばらく進むと、いよいよ白一色の雪原となる。四方の景色も開け、前方には湯殿山、そして月山が顔を出し、振り返れば朝日連峰に連なる赤見堂などの山々が姿を現す。
1150ピークと湯殿山南西尾根の鞍部までは快調に進む。傾斜が急になる1250mあたりで、準備をしていたベテランさんたちに追いつく。
ベテランさんたちは東側の斜面のトラバースを交えながらシール登行を続ける模様。さらに先を行くパーティーはスキーを背負っているので、こちらはツボ足にする。クラストしてかなり固い雪で、アイゼンを持ってこなかったことを後悔。
先行者の足跡を忠実に追って、ひと登りすると大丈夫そうなのでスキーを履くも、すぐに急傾斜に阻まれ、結局、スキーを肩に担いでしのぐ羽目に。着脱等に時間を喰っているうちに、アイゼンの二人パーティーに追い越される。
山頂からは、すでにベテランさんたちが下降してきた。東斜面をテレマークで大きな弧を描きながら滑降し、途中から尾根沿いをラバー気味に下っていく。
ようやく山頂。10人近くの登山者、スキーヤー。先ほど追い越された二人パティーはノンアルビールで乾杯。良いですねと挨拶したら、なんと知り合いのM野さん(こちらがブログです)。山で会うのは初めてですねと記念写真を撮り合う。
下山は、東斜面の凹部分を小回り基調で、途中、ストップしながら、慎重に降りる。なにしろ、雪面はクラストし、ターンのたびに表面が破れ、雪片が飛び、流れていくような状態。それだけでもヤバい感じなのに、雪が飛ばされ、見るからにガリガリなバーンも顔を出す。そんなところに突入しないようにコース取りは慎重にならざるを得ない。
ベテランさんのシュプールを参考にしながらも、高度を下げないように下る。途中、昼食休憩を取り、少し登り返し、気持ちの良い斜面を滑降する。
途中、樹林の中で休憩中の5,6人のパーティーがあった。戻るべき尾根は右手下方に見える。この辺りではシュプールやトレースは大越沢に向かっている。途中、尾根に向かうのかもしれないし、そのまま沢を下るにしても、時間は十分だったので、大越沢に入り、下ってみることとした。
沢筋の滑降は快適であったが、それもつかの間、3mくらいの滝に出る。左岸をヘツれば下れなくもなさそうだが、安全第一、巻くこととする。平坦部分まで登るとトレースがあった。行先は六十里越街道を目指しているようであった。
巻いて出た尾根から大越沢 |
上の写真を撮った所 |
大越沢を下れば六十里越街道に合流する。もうすぐそこであった。再度、沢に降りるも、なんとまた滝である。今度は5mくらい。ここを高巻いても街道に降りるところが崖地のマーク。だいたい街道ではスキーは走らないな等と、不遜な考えも横切る。
南東尾根よりも、南西尾根は、アプローチも尾根伝いの距離も短く、意外と楽チンで、もう一登りする元気があったので、ここは尾根に戻り、登ってきた斜面を滑ろう等と考えてしまった。
右岸の斜面をワカンに履き替えて登った。膝下まで抜けるくらい雪が緩んだ急斜面のラッセル。吹き出る汗が焼けた顔にしみる。まるで真夏の登山のよう。傾斜が緩んだところで一休み。沢から上がってくる刻んだ足跡に、なんだか妙な満足を感じてしまう。
Mな足跡 |
登り返し途中から湯殿山 |
上の写真を撮った場所 |
尾根に登り上げると、多数のシュプールと足跡。鉄塔ありまでは軽快なスキーを楽しめたが、標高が下がるほど、雪は緩み、重くなる。ターンしようとするとスキーが雪に潜り込み、浮上せず、足を取られ、転倒してしまう始末。
正直、恐怖すら感じた。自然の脅威とさえ思ったが、これこそがバックカントリースキーの醍醐味か。直滑降、プルーク、デラパージュが重要なスキー技術であることを考えさせられた。そんな湯殿山南西尾根スキーツアーでした。
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