2012年8月6日月曜日

鳥海山(象潟口)



7月最終日曜日。本日は鳥海山。
昨年度はお休みしたが、山形が、東北が誇る名山、鳥海山には毎年訪れることとしている。
今年は、鉾立から象潟口の、流麗な尾根をゆらゆらと漫歩することとした。

天候は、当然、快晴。ぎらつく太陽の下、涼風に吹かれながら歩くはずだった。
が、庄内平野に入ると雨が交じり出す。午前4時を回っても、空には輝きは訪れず、いつまでたっ ても重苦しい曇天模様。日の出とともに晴れるかとの期待を込めながら、ブルーラインを登るも、標高が上がるほどにガスも濃くなる。
日本海に向かう、独立峰の鳥海山の気候は厳しい。

5時20分スタート。一面のガス。奈曽渓谷は見渡せるものの、その向こうに聳え立つ鳥海山は厚い雲の中。1時間ほどで賽ノ河原に着く。強風に吹き付けられ、体感温度はかなり下がる。時より薄暗くなるほどの濃霧が押し寄せる。

御浜から鳥の海はまったく見えない。八丁坂、七五三掛と外輪山へ登って行く間、ずっと吹きっさらされる。イワテトウキやトウゲブキ、ハクサンシャジンが満開状態。



千蛇谷に下りる。降り口の岩場にイワブクロを見つける。

山形県内では鳥海山にだけ生育する。東北地方でも、他には秋田駒にあるくらいだ。本来は北海道が適地となる。

神社周りには、ここにしか咲かない花なのに、まるで雑草のようにチョウカイフスマやイワブクロが群れる。ついでに神社周りはゴミも乱舞する・・・。日本百名山の中でも誇りを失った山の部類ではないかと滅入る。

外輪山に上り返し七高山へ至る。チシマキキョウ、ヨツバシオガマ等など、花々が溢れる。




















残念ながら、ガスが切れ間なく押し寄せる中を、帰路に着く。
外輪山に咲き誇る花々と借景となる鳥海山。
一陣の風とともに霧の中から現れた八丁坂の山肌に咲き乱れるニッコウキスゲやイワテトウキにハクサンシャジン・・・。





終始、濃霧の中でしたが、一瞬の晴れ間に、青空、鳥海山、花々が輝き、それはそれで魅了された山行きとなりました。

               オクキタアザミ(山形県内では鳥海山だけに生育)

チョウカイフスマと外輪山(七高山手前の稜線)


2012年7月28日土曜日

蔵王はコマクサ


(某日の)今日は蔵王。

春から初夏にかけての山は、雪が多く、例年より10日くらい遅れているかという感じでしたが、6月後半から7月は、俄然、季節の歩みが速くなっています。朝日を例にすれば、7月連休前は初夏の装いだったのが、連休後はタカネマツムシソウも花を開きだすほど盛夏に向けて駆け出しているのです。


蔵王では、中丸山から熊野周辺にかけて、ちょっと足を伸ばせば、往時がしのばれる程に、コマクサが生育しています。秋田駒や岩手山のコマクサは桁違いに多いですが、何より地元の山を愛でるべしと、今年のコマクサは蔵王と決めていました。
例年、7月後半からがコマクサの適期となっていますが、今年の山は急ぎ足のようなので、熱中症になるような某日の午後から、鈴木幹事と物好き二人組で滝のように汗を流しながら蔵王山行決行と相成りました。
結論は、ご覧のとおりで、もうこの時期でも、花期は終わりに近づき、しおれる一歩手間の状態でした。



初めてお目にかかったクモキリソウ。



オノエラン。                               ハクサンチドリ。













2012年7月21日土曜日

朝日連峰のリンネソウ(めおとばな)




 7月某日、朝日縦走路でリンネソウに出会いました。


 私にとって、リンネソウを見るのは、これが二度目です。はじめてみたのは白馬大池から辿った白馬岳の稜線でした。
 山形県では月山に生育しているそうです(志賀竹志氏の「月山花ガイド」)。鈴木幹事は、金姥付近との情報を得、何度か探索したそうですが見つからず仕舞で、やはり白馬岳で始めてお目にかかることになります。


 それもそのはずで、山形県が平成16年度に出版したレッドブックでは、山形県内絶滅危惧Ⅰ種と指定され、最近は朝日での生育は未確認と報告されている植物でした。


 私が出会ってから1週間後、改めて鈴木幹事を伴って、朝日の生育地を再訪しましたが、たった7日間の違いで、花期は過ぎてしまい、地形の記憶から、群落があった付近を探し回ってようやく見つけることができました。


 このとき、丹念に探し回ったことで、不思議なことに気がつきました。
 生育しているのは、登山道を挟んで、片側のみで、反対側では、いくら目を凝らしても見つけることが出来なかったのです。
 リンネソウは、自家受粉では子孫を残せず、また花粉を遠くに飛ばすことが出来ないため、群落があっても、同じ固体である場合が多いそうです(そのため、環境変化等への適応力が低く、絶滅の危惧にさらされることになる)。
 一つの固体が地下茎を伸ばし群落を作っていくため、登山道等があるとそこから先には勢力を拡大できないのかもしれません。





 少し離れた場所にもリンネソウを見つけることが出来ました。朝日のリンネソウは、これからも維持・拡大の可能性がありそうです。


 ちょっとした意識を登山者が持つことが出来れば、リンネソウも守ることが出来るかもしれません。


 来年、また、リンネソウについて報告します。