2021年4月12日月曜日

鶴岡大山の下池周遊歩道は春最高

 噂には聞いていましたが、良いところですね、鶴岡大山下池!

4月2日に足を伸ばしました。


大山はお酒の産地で、それだけでも垂涎ですが、下池をめぐる周遊歩道(赤いトラック)には惚れますよね。

初対面のミスミソウは満開の笑顔で迎えてくれました。沢山、会うことが出来ました。


昨年、八森山を歩き(青いトラック)、高館山山頂付近でも探しても会えなかった(今年よりも5日ほど遅かった)ミスミソウが、車も通れる程の広く立派な林道脇にわんさか咲いているのには驚きました。植えたんじゃないよね(*^^*)

それに、去年、八森山で、足元に一株だけ見つけたルリソウが、限られた場所でしたが、群生し、誇らしげに咲いているのも最高でした。


ニリンソウ、キクザキイチゲ、カタバミの色白の、カタクリ、ヒメエンゴサクの奥ゆかしき紫の、妖精たちとも会えました。






ショウジョウバカマ、イワウチワが良い感じで咲いていました。ついでに、ひときわ黄金に光るヒメリュウキンカ(外来園芸種)にも遭遇出来ました。下池では外来種の侵食を警告する看板がありましたが、ここも例外ではないようです。人が歩けば色んなものを持ち込むことになるんですね。自戒しなければなりません。



また、来年、楽しみです!

2021年4月4日日曜日

3月の岳さんガイドツアーは栂峰BCに雪山講習

 3月27日、雲は少なくなかったけど、青空のもと、栂峰(の手前、蔵王権現まで)に、6人パーティでスキー登高。

除雪は、栂峰山神社手前700mくらいまでで、ほとんど小屋集落からの歩きとなり、林道アプローチ4km。林道上なのに渡渉があったり、ブロック雪崩の突端を通過したり、沢沿い直行のトラバースでヒヤヒヤしたり、登山道入り口まで、飽きない2時間半でした。




登山道の手前で、僅かなスノーブリッジで小沢を渡ります。結構、水量があり、落ちたら濡れるなという感じで、慎重に行きました。

杉の植林地の中を、ほぼ夏道沿いに、良い感じで標高を稼いでいくと、植林地の切れたあたりに、急斜面が立ち現れます。このとき、斜面の一番急な部分を登っていきました。スキークトーをつけようとしたSさん(素敵なブログを書かれていますよ)が落としたサングラスが、そのまま下まで転がってしまうほどの傾斜でした。これは次のツアーのための力量テストだったのでしょうか?(岳さんツアーのBCスキーは「月山から品倉山」と「飯豊石転ビ沢」が予定されています!)


急な上に、表面には薄く緩い雪、その下に固い層があり、シールもエッジも中途半端にしか効かず、また木立が邪魔だったりして、ジグを切るキックターンもヒヤヒヤでした。ん−、クランポン着けるんだとか、自分なら諦めて進行方向右手(東側)の沢を行くけど、やっぱりこれが本格派か等と考えているうちに、ようやく1100mの尾根。尾根は広く、でっかい飯豊山、遠くに朝日や月山と、一気に視界が開きました。


ここからは、尾根伝い。狭かったり、デコボコがあったりしますが、気持ちの良いシール登高になります。

ゴールは蔵王権現(1497m)。栂峰は山形百名山で、ちょっと行ってみたい気もしましたが、来年、また、登るつもりで、来ましょう。



スキーの楽しさと考えると、やっぱり、広く雄大な月山や鳥海山ですが、山深く入り、デッカな飯豊山の、違う顔を見られ、なおスキーも楽しめる、その魅力は比較できるものではありません。自分にとって意義のある山行でした。




で、翌々日の3月29日にはライザの青い鳥コースで雪山技術講習でした。

まずは道具の呼び名。今は英語読みが一般的。アイゼンやザイルはドイツ語。クランポン、ロープというのが今風。ピッケルの部分の名称も、以前とは異なり、ヘッドの平たい部分のブレードをアッズという。シャフト先端のスピッツェはスパイク。ヘッドやシャフト、ピックは同じみたいでした。

次はキックステップ歩行。

斜度が急でなければ、足底全体を斜面に振り下ろし、踵を付けること。つま先立ちは疲れます。登りで傾斜が急になればつま先蹴り込み。降りは踵から振り下ろす。斜め上りは、山側の足(山足)を登る方向に進め、谷側の足(谷足)は斜面に平行に、山足の少し先に進める。斜め下りは、谷足を降りる方向に進め、山足は斜面に平行に、谷足の少し先に進める。

ピッケルを使った滑落停止は、とにかく加速度が付く前が勝負。

転んで背中で滑る状態で、両足は膝を上げる。絶対に雪面に足をつかない。足で止めようとしてはいけない。ピッケルは、右手で、ピックが外側(右)、アッズを自分側(左)になるように持つ。ピック側(右)に体を勢いよく回す。肩でアッズを押すようにピックを雪面に刺す。このとき脇を締める。脇を締めないとピッケルは体の下に持ってくることはできない。

前のめりでころんだときは、ピックを刺し、止まった反動で、足が下になるように反転する。停止したら、直ちにピッケルを体の下に持ってきて、再度差し込む。

ピッケルを持っていなときは、腕で三角形を作り、雪面に押しつけて、雪を腕の三角形の中に溜め込むようにして止める。

スノーバーは、開いている方を山側に向け差し込む。

ピッケルや土のう袋を使って支点を取る場合、重要なのは、支点を支えるために雪面を踏み固めて壁を作ること。

ピッケルを使う場合、スリングのシャフトへの結びつけ方は、ヘッド側はクローブヒッチ、真ん中は半クローブヒッチ、スピイク側はクローブヒッチにする。踏み固めた壁の奥に、ピッケルシャフト部分が深さ10センチ程度に埋まる溝穴を掘る。ピックを下にしてピッケルを埋め、スリングが斜面に対して平行になるように溝を掘る。スリングの引っ張られる方向が上になると簡単にピッケルの支点は抜けてしまう。

土嚢袋の場合、赤ちゃんの頭くらいの大きさになるように雪を詰める。袋のあまり部分をまとめて、口(上)をスリングをクローブヒッチで巻いて締める。あまり部分を半分に折り、輪になるように、その根元付近をスリングで三回程度巻き、最後にスリングをその輪に通し締める。

土のう袋全体が雪面より10cm下に埋まるような大きさの穴を掘る。埋めた時にスリングが斜面に平行に出るように溝を切る。


この支点を使って、下降のビレイを行う。特に器具は使う必要はなく、ビレイヤーはロープを出しながら、転倒したとき、二本のロープを掴んで止める。それで十分止まる。むしろ、止めたときのショックを避けるために、(ロープを出しながら)少し滑らせるように止めた方が良い。なお、ビレイヤーは、支点とロープを繋ぐカラビナの直ぐ側にはいない。ロープに引っ張られカラビナに巻き込まれる恐れがあるため。

最後に、この支点からのロープを使い、カラビナにムンターヒッチで結びつけ、懸垂(じゃないけど)下降を練習して終了。

実際に使うことがないと、身につかない感じですが、岳さんに、こうした技術が必要なところに連れていって欲しいのもあり、まずは知識と体験を得たものです。

ムンターヒッチとクローブヒッチは必須ですね。




2021年3月14日日曜日

湯殿山南西尾根スキーツアー

 3月7日、日本全国が高気圧に覆われ、快晴の日。

 天候が安定しているので、月山第一トンネルから入山し、南西尾根から湯殿山を目指すこととする。

赤いトラックが今回の軌跡(GPS、操作ミスのため一時停止あり)


 既に10台近く駐車してあり、ベテランさんと女性の2パーティーが準備中。ベテランさんに、初めてなので後ろ追わせていただきますと挨拶。女性パーティーとも、一言二言あいさつを交わしたが、先ほどのベテランさんは蒲生さんと言い、「飯豊朝日連峰の麓から」というタイトルで多数のスキーツアー記録をネットで発信していると教えられた。

 女性パーティーは鍋森に向かう。トンネル入り口の真上で、左と右に分かれた。既に多数の登山者が入っており、ベテランさんを追うまでもなく、トレースを使わせてもらう。

 電力の鉄柱を超え、しばらく進むと、いよいよ白一色の雪原となる。四方の景色も開け、前方には湯殿山、そして月山が顔を出し、振り返れば朝日連峰に連なる赤見堂などの山々が姿を現す。


 1150ピークと湯殿山南西尾根の鞍部までは快調に進む。傾斜が急になる1250mあたりで、準備をしていたベテランさんたちに追いつく。

 ベテランさんたちは東側の斜面のトラバースを交えながらシール登行を続ける模様。さらに先を行くパーティーはスキーを背負っているので、こちらはツボ足にする。クラストしてかなり固い雪で、アイゼンを持ってこなかったことを後悔。


 先行者の足跡を忠実に追って、ひと登りすると大丈夫そうなのでスキーを履くも、すぐに急傾斜に阻まれ、結局、スキーを肩に担いでしのぐ羽目に。着脱等に時間を喰っているうちに、アイゼンの二人パーティーに追い越される。


 ちなみに、1250mから山頂直下の平原となる1400m先あたりまではツボ足と割り切った方が良いと感じた(技とルートの取り方にもよりますが)。

 山頂からは、すでにベテランさんたちが下降してきた。東斜面をテレマークで大きな弧を描きながら滑降し、途中から尾根沿いをラバー気味に下っていく。

 ようやく山頂。10人近くの登山者、スキーヤー。先ほど追い越された二人パティーはノンアルビールで乾杯。良いですねと挨拶したら、なんと知り合いのM野さん(こちらがブログです)。山で会うのは初めてですねと記念写真を撮り合う。

 下山は、東斜面の凹部分を小回り基調で、途中、ストップしながら、慎重に降りる。なにしろ、雪面はクラストし、ターンのたびに表面が破れ、雪片が飛び、流れていくような状態。それだけでもヤバい感じなのに、雪が飛ばされ、見るからにガリガリなバーンも顔を出す。そんなところに突入しないようにコース取りは慎重にならざるを得ない。

 ベテランさんのシュプールを参考にしながらも、高度を下げないように下る。途中、昼食休憩を取り、少し登り返し、気持ちの良い斜面を滑降する。

 途中、樹林の中で休憩中の5,6人のパーティーがあった。戻るべき尾根は右手下方に見える。この辺りではシュプールやトレースは大越沢に向かっている。途中、尾根に向かうのかもしれないし、そのまま沢を下るにしても、時間は十分だったので、大越沢に入り、下ってみることとした。

 沢筋の滑降は快適であったが、それもつかの間、3mくらいの滝に出る。左岸をヘツれば下れなくもなさそうだが、安全第一、巻くこととする。平坦部分まで登るとトレースがあった。行先は六十里越街道を目指しているようであった。

巻いて出た尾根から大越沢

上の写真を撮った所


 大越沢を下れば六十里越街道に合流する。もうすぐそこであった。再度、沢に降りるも、なんとまた滝である。今度は5mくらい。ここを高巻いても街道に降りるところが崖地のマーク。だいたい街道ではスキーは走らないな等と、不遜な考えも横切る。

 南東尾根よりも、南西尾根は、アプローチも尾根伝いの距離も短く、意外と楽チンで、もう一登りする元気があったので、ここは尾根に戻り、登ってきた斜面を滑ろう等と考えてしまった。

 右岸の斜面をワカンに履き替えて登った。膝下まで抜けるくらい雪が緩んだ急斜面のラッセル。吹き出る汗が焼けた顔にしみる。まるで真夏の登山のよう。傾斜が緩んだところで一休み。沢から上がってくる刻んだ足跡に、なんだか妙な満足を感じてしまう。

Mな足跡

登り返し途中から湯殿山

上の写真を撮った場所


 尾根に登り上げると、多数のシュプールと足跡。鉄塔ありまでは軽快なスキーを楽しめたが、標高が下がるほど、雪は緩み、重くなる。ターンしようとするとスキーが雪に潜り込み、浮上せず、足を取られ、転倒してしまう始末。

 正直、恐怖すら感じた。自然の脅威とさえ思ったが、これこそがバックカントリースキーの醍醐味か。直滑降、プルーク、デラパージュが重要なスキー技術であることを考えさせられた。そんな湯殿山南西尾根スキーツアーでした。

 

2021年3月13日土曜日

快晴の鳥海山は月山森まで

  2月28日。全国的に高気圧に覆われた快晴予報。

 ずっと気になっていた鳳来山経由で鳥海山を目指す。

 鳳来山経由の山スキーの記録は見つけることが出来ず、地形も、一部急坂があり、不安だったが、スキーツアーで先行している跡もあったので、ルンルン気分でスキーハイクをスタートした。

 緩やかな起伏を経ながら高度を上げていく林間コースは、なかなか気持ちが良い。途中、トイレ休憩している間に、後続のボーダーから追いつかれる。

 旅行村が見下ろせて、気分のいい稜線だなんてお気軽ハイクを楽しんでいたら、目の前に鳳来山の急な尾根が登場。巻き道があるのでそちらを進むとすると、山陰の薄いバンドはアイスバーンで覆われている。こりゃ無理だとあきらめ、スキーをザックに括り付け、登り出す。距離が短いのでアイゼンを着けなかったが、夏道と氷と雪のミックスはちょっと冷や冷やもの。

左巻き道、右尾根道

 50mの登りに苦労して、やれやれとスキーを履くも、今度は大沢神社からの、コブコブの登りに手こずり、思いのほか時間を費やし、結局、スキーを脱ぎ、肩担ぎで進む。

コブコブの尾根


 ここを登りきれば、林の中のなだらかな斜面となり、1100mあたりから樹林地帯を抜け出し、鳥海山を眼前に据えながら草津川右岸の尾根を滝の小屋まで上り詰めていく。



草津川沿いの尾根を振り返る(1)

草津川沿いの尾根を振り返る(2)



 鳳来山回りで、やや気力を使い果たした感があったが、滝の小屋には多くのハイカー、スキーヤーがいて、皆さん最高に楽しんでいる様子から元気をもらい、月山森を目指すこととする。

 八丁坂の登山道とは反対側にフラッグが設置してあり、こちらもそれに従う。河原宿は屋根から下は雪の中であった。そう言うと、深く沈んでしまうような雪に覆われたイメージを持ってしまうが、実際は、シュプールも付かないような固い雪に覆われた平原であった。


 月山森が、なぜか遠くに見えた。山を覆う風紋や雪庇に怖気づいたせいかもしれない。千畳敷が見えるところまで平原を進む。すると月山森に登山者があった。千畳敷にも、はじめスノーモービルかと見間違うほどのはっきりとしたトラック痕があった。月山森に居た登山者も千畳敷に下っていく。この時期でも万助道からスノーシューで来れるようなアプローチが可能であることを教えてくれた。

 月山森を覆う風紋が、この山の厳しさを教えている。今日は例外。地形や標高は私に来ることを許すが、気候はハレの日しか立ち入ることを許さない。

 笙ヶ岳、鍋森(てっぺんに立ってみたい)、御浜、そして文殊に至る大きな尾根、この全てが白雪一つに覆われ、滑らかな山容となっている様は言葉には表せない美しさだ。

河原宿の小屋

月山森を遠くに感じた




千畳敷、左が鍋森、正面が鳥海湖・御浜

笙ヶ岳
 

 八丁坂の斜面は快適な滑降であったが、結構、クラストしており、上下動をはっきりして、山回りを確実に捉えられるように下った。



 滝の小屋からの宮様コースは、スキーで滑るのが不快なほど、深い足跡が残されていた。この日の人の多さを表している。

 ツリーランは、ブナの二次林という感じの林の中を行く。ブナの大木の間を滑る月山の雄大さを改めて感じていた。他人の後を追ってしまったが、もっと草津川沿いにコースを取れば、滑るに適した地形があると思う。


 最後は、草津川を横断して、旅行村に滑り降りる。

旅行村から鳳来山

 このルートはGPSデータが公開されていたので、そのとおり進んだが、問題が無かった。草津川は砂防堤の手前で横断するが、スノーブリッジが何か所かあり、少なくとも今回は問題が無かった。


 草津川を渡り、登り返すためにスキーをザックに付けていたら、ハイカーも同じようにGPSを見ながらやってきた。互いに間違いが無いことを確認する。斜面をツボ足で登り返すと、旅行村からの鳳来山への登山道に出る。小沢に架かる小橋をわたり、ちょっと進むとフェンスで囲まれた設備が見え、その先に旅行村のバンガローが現れる。

 旅行村からスタート地点まで戻れる道が山裾にあったが、広く明るい方に誘われていた。最後は車道を戻っていった。

旅行村から鳥海山