2012年12月1日土曜日

雪便りは千歳山から

 昼まで、たっぷり10時間は寝たせいか、エネルギーが充填なったらしく、昼飯を食べたら、無性に山に行きたくなる。
 昨夜、午前様で、その時刻、雪は舞ってもいなかったので、きっと明け方にでも降ったのだろうか、車のウインドグラスに雪が残り、周りの山も白い。登山靴に履き替えて、千歳山へ向かう。
 山に直接入ることとし、千歳山北面の、山仕事で付けられた足跡をたどり、適当に山腹に分け入る。
 久々の登りに息は上がり、ユニクロのダウンジャケットの内部はすっかり汗ばむ。
 ところで、このダウンジャケ、なかなかである。アウターには心もとないと思っていたが、今日一日、しっかりと快適な環境を提供してくれた。
 山頂目指し、ほとんど直登。途中、千歳山を輪切りに横断する登山道2本をパスしていく。
 40分程度で山頂展望台へ到着。
 
 千歳山からキクチ山辺の稜線はそのまま南に伸び、送電線の台座になっている。その先を西に折れると平清水奥の林道の終端につながる。先週は、この平清水の林道を詰めてみたのだが、時間切れで山に入ることは出来なかった。実は、今日、逆から攻めてみようとの思惑もあった。
 が、冬至に向かって真っ逆さまの今時分の日没は早い。その上、今日の曇天は只者ではない暗さ。3時には、もう薄暗く、下界には日が灯る。
 最後の鉄塔に着いた時には、もう、3時。
 今回は諦めて来た道を戻る。

 千歳山に取り付いたところでヘッドライトを取り出す。山頂に登り返して、素直に山道を下る。
 麓に着いた時には、もうすっかり夜の帳が下りていた。
 次は、雪と戯れ、今度こそ、平清水側に下りていこう。

 今日、中央ゲレンデは滑れたみたいですね。ブッシュも見えてたけど。

 山雪の、山部、低山雪遊び、企画します。千歳山に盃山。瀧山や笹谷峠。楽しいよう(^^)v
 
 
 

2012年10月27日土曜日

10月14日 仙人沢~仙台・山形神室~笹谷峠

 毎年、職場から望む山形神室が赤く染まりはじめると、笹谷峠周辺の山が恋しくなる。

 2年ぶりに仙人沢から仙台神室、山形神室、笹谷峠を巡るコースをたどる。



 仙人沢右岸を高巻くように、沢から三十メートルの高さで山腹を横切っていく山道は薄く狭い。何度か支沢を超えると仙人沢にぐっと近づく。仙人沢の右岸から左岸、左岸から右岸へと2度渡渉をした後に、沢が二股に分かれる地点の三度目の渡渉で右側の仙人沢右岸山腹を高巻くコースとなり、四度目の渡渉でようやく尾根に取り付くこととなる。
 つづれ折は直ぐに尾根に届く。
 松の、乾いた尾根道は気持ちが良いが、コースは直ぐに尾根を越えて、1022ピークを巻いた後、また尾根に戻って行く。
大岩の正面
 実は、この松の、乾いた気持ちの良い尾根は、そのまま先に進むことが出来る。進んでいくと1022ピーク直下の大岩に出くわす。堆積岩の大岩には、初心者が直登出来るようなスタンスは見当たらない。大岩の左右は切り立つが、向かって左側には上下平行に薄いバンドが付いている。人なのか、獣なのか、通過した痕跡もうかがえる。下のバンドに足を下ろし、上のバンドをホールドにしてトラバースする。大岩の横幅は3メートルほど。その先は茂みになり、斜面には道らしき明瞭な「段」が付いている。そのまま進み、先に白い絶壁が見えるあたりで「段」は消滅する。今回は、そこから木の根を頼りに尾根へと登り返した。尾根上に出ると、明らかに道型があり、今、登ってきた方向から尾根筋へと続く。道沿いに降りてみると、先ほど通過してきた「段」が見下ろせる位置に出るが、崩落のためか、その先に続く道は消滅している。
大岩の向かって左                  大岩の上から
 










 尾根筋に戻り、尾根伝いに下降すると先端の大岩に至る。大岩の上も結構な傾斜で、おっかなビックリ岩の上に立つ。右手にはハマグリ山辺りの稜線が見える。もちろん、向こうからも、この大岩の部分は確認できる。
大岩から前山方面
ハマグリ山から大岩付近

 こちらは、相当以前には、山仕事などの杣道だったのかもしれない。今は、行くのなら、完全に自己責任の範疇。バランスを崩せば、怪我では済まないかもしれない。なにより、本来のコースを行くのが時間的には短い。本来のコースも、最後は攀じ登る感じで尾根に戻る。1022ピークは意外と手強い。
 ここから先は気持ちの良い山道。途中、むじな沢石橋への分岐がある。近々、行ってみたい場所だ。

 仙人沢源頭部を渡り涸れ沢のコースを進むとダンゴ平。仙台神室の急登、山形神室南稜の柔らかな紅葉、前山北側露岩に強い意思で咲くイワインチン。そして笹谷のゲンノショウコウ。
仙台神室





トンガリ山とイワインチン

ゲンノショウコウ

 近くて、当たり前すぎる笹谷峠周辺の山々ですが、色んな魅力があふれていることを再確認した山行でした。山形の山はいいね!

2012年10月22日月曜日

10月6日~8日 八ヶ岳


 今年の遠征は八ヶ岳でした。
 八ヶ岳は超人気な山塊で、今更、コースや山小屋案内しても仕方がありませんが、若干の感想を述べ、報告とします。

 何よりの印象は、街の中にある2800m、あるいはコンビニエンスな2800mです!
 アプローチが短いこと(しかし、これだけ人が入る割には貧弱な林道で、もちろん地形によるものでしょうが、我車は、降りてくる車のために何度バックしたことか。山は登り優先のはずなのに)、山小屋(風呂付き)が充実していること、そこに尽きると思います。

 登山路は、当然、整備が行き届いていましたが、しかし、2800mの岩稜であり、北アルプスと比較した感じは、岩片が多く、嫌らしい感じでした。事実、注意を払っていたにもかかわらず、阿弥陀岳の下山の際には、岩片を引っ掛け、「落!」と叫ばなければなりませんでした。赤岳山頂直下や横岳周辺も岩稜帯で、足下は谷に真っ逆さまです。コースはしっかりしており、平常心で臨めば大丈夫ですが、油断してはいけない地形でした。事実、深田久弥は登攀が終了したと思った硫黄岳北面で友を滑落により失ったことが百名山に記されています。
  硫黄岳は、横岳周辺の岩稜を経た後に、なだらかで広い瓦礫の斜面を大きく積まれたケルンを道標につづれ折りに登って行きます。ドライフラワーとなったコマクサが残っていたりして、これまでの岩稜コースとは様子が一変です。山頂も、なだらかな広々とした台地の一画にある標識でそれとわかるほどです。ところが、下山路は唐突に岩稜のコースとなります。硫黄岳は、地形図で見ると、南北は谷が穿たれ、東西はゆるやかに裾野を広げています。赤岳鉱泉へ下山路は、南側の谷の、西稜です。今でこそ入念にコース整備されてますが、深田氏が登った頃は、他の山もそうでしょうが、岳人が自然の地形の弱点を突きながら歩いたのでしょう。ちょっとした判断の誤りが生死を分けてしまうほどの厳しさがあったと想像します。
 硫黄岳~峰の松目の稜線を離れると、赤岳鉱泉への稜線を一直線にグイグイ下ります。北沢に出会う辺りは、なだらかな地形で、雰囲気がとても良い所ですが、道迷い注意地帯でした。沢沿いに続く疎林は、歩きやすそうで、いかにも人を誘う感じがあるのです。しかし、コースは北沢を渡渉し、北沢左岸奥を赤岳鉱泉に向かっています。

 順序が逆になりましたが、美濃戸山荘から行者小屋までの苔むした樹林の気持ちの良さ。行者小屋から展望する険しい八ヶ岳稜線。阿弥陀岳へ思いの外、急な直登コース等など。人気の山、八ヶ岳を満喫してきました。来年は、もっと多くの参加を期待します。





歩き出しの森                   行者小屋近くになると涸れ沢の道となる

行者小屋の賑わい


阿弥陀岳への途中から横岳方面                 阿弥陀岳山頂直下から赤岳

 

阿弥陀岳山頂から赤岳 
阿弥陀岳の急坂


赤岳山頂への岩稜コース
 



 赤岳山頂

赤岳頂上小屋の真っ赤な辛口カレー
 
赤岳鉱泉が見える
地蔵の頭


タカネナデシコの残り花


横岳付近の岩稜コース
横岳山頂
横岳から硫黄岳へのコースもまだまだ岩肌が続く(ここはカニのヨコバイ)


岩稜を離れて、硫黄岳へ。コマクサがドライフラワー状になっている。ケルンの道標
  

中央稜線の白く岩肌が見える鞍部が赤岩の頭。ここが鉱泉への下山分岐。

翌朝の赤岳鉱泉

鉱泉から見えた八ヶ岳の稜線












2012年9月23日日曜日

9月17日 御所山(船形山)・観音寺コース


 久々の山行は、鈴木幹事の希望で御所山(船形山)へ。
 日本二百名山に数えられるが、百名山ピークハンターの鈴木幹事は未踏とのこと。暑いので層雲峡コースかとも考えたが、手前の林道のことを考えると、やっぱり暑そうなので、ここはブナ林を行く観音寺コースが良いだろうと、東根から登ることとした。

 早朝5時集合で、6時ともなれば、もはや猛暑の気配が匂ってきそうであったが、東の奥羽山脈の稜線は、真っ白な雲に覆われていた。まるで掛け布団をかけたような感じで。
 今日のパーティーは、鞠子、鈴木、水野の山幹事に加え、初めて同行するMさんの4人。Mさんは、山大ワンゲルOBの本格派であるが、一緒に山に行く人、サークルを探していたということで、まずは、今回、お試し山行となったもの。こちらは、心強いばかりであり、ぜひ、サークルに入っていただきたいところである。

 登山口まで雲が降りてきており、小雨っぽい中を行く。涼しいというより肌寒いくらい。林の中は薄暗いほど。


 観音寺コースは、最上カゴ、仙台カゴと白髮山、楠峰の間を縫うように進んでいく。仙台カゴと楠峰の鞍部で展望が開く他は、ほとんどが林の中を下り基調で進むコース。立派なブナ林の中にある仙交小屋跡を過ぎてから、ようやく上りとなる。御所山の山頂に直接至る尾根に取り付く。尾根道なので、まっすぐに、ぐいっと登らされるが、一上りすると傾斜は緩るみ、一息入れながら先に進む、なかなか魅力的なコースレイアウト?になっている。再び登り始めると、どんどん傾斜が強くなり、道もえぐれ、手がかりが必要なほどになる。樹木はすっかり潅木となり、頭の上に木が無くなってくると傾斜も落ち着き、もうすぐ山頂。


 最後までガスは晴れず真っ白な中、何も眺望のないままの山頂へ。山頂付近は強風が吹き荒び、記念写真を撮るなり小屋に逃げ込む。

 先行者があり、昨夜は小屋に4、5人の宿泊あったとのこと。









 1時間ほど食事休憩し下山。その頃になると、結構な人が登ってくる。雲の流れは早く、時折、太陽も顔を出すようになる。いよいよ、下山という時に、黒伏山が姿を現す。層雲峡コース、クラビコースの尾根伝いの登山道も見え始める。

黒伏山



稜線の山道が尾花沢コース




キバナノイカリソウ

 天候は回復し、楠峰付近に至る頃になると、すっかり御所山が見える。


 栗畑で、最上カゴ側にちょっと登り返し、稜線に出る。仙台カゴの全体が見渡せる。御所山はずいぶん遠い。歩いてきたコース(地形)も辿れる。観音寺コースに行ったならば、ここはお薦め。


 帰りのブナ林は、木漏れ日が揺れ、そよ風が吹き抜け、実に気持ちが良かった。
 次は、紅葉の中、層雲峡を行きましょう。